ヘルスケアにおいて『血圧』は特別です。血圧計は今や一家に1台というまで普及し、「自分の血圧」も十分に把握され、高くても低くても一喜一憂します。健康がすべて血圧に帰着してしまうほどです。
一方で、国民のヘルスケアが血圧だけで語られるのは、真に人々の健康を守るためには心許ないと考えています。
血液指標のひとつである『ヘモグロビン値(ヘモ値)』は血圧と同じくらい重要な指標ですが、見逃されることが多いのが現状でもあります。
自分が貧血と指摘されなければ、だれも自分の「ヘモ値」を知らず特に意識もしないでしょう。
ところが、ヘモ値が低いと、貧血で日常の生活・仕事の活力が失われてしまいます。
実に、働く女性や高齢者においては五人に一人が貧血と言われています。
昨今の夏場には、炎天下に脱水・熱中症で倒れる高齢者や高校野球選手などがいたことを思い出します。
脱水状態の血液はドロドロで、その時のヘモ値は高値になり、それにより脳梗塞・心筋梗塞のリスクも高まります。
ヘモ値の管理はあらゆるシーンでの活用が可能であると考えています。
ヘモ値は一日の中でも変動するので厄介です。
ヘモ値の重要性にも関わらず、今まで医師の間でも見逃されてきたのは、採血しなければ測定できなかったからです。
最近、採血せずにヘモ値を測定できる新しい測定機器が開発されています。
このような機器で、頻繁にヘモ値を測定するようになれば、ヘルスケアはより確実なものになると信じています。
当会では、健康の新しい指標としてへモ値を用いて健康管理することを推進したいと考えています。
まずは健康寿命の延伸を目指す方々から、この新しい考えに則った健康推進を実践していただけることを願うとともに、本会の理念にご賛同いただける自治体や企業と連携してヘルスケアに関するサポート活動を実践してまいります。
代表理事・医師 久保 肇